赤色立体地図weblog

はてなダイアリーから移行してきました

玉川上水を赤色立体地図を見ながら歩く

はじめに 赤色立体地図で多摩を見るシリーズ第2弾は玉川上水です。「赤色立体地図」は、急斜面ほどより赤く、尾根ほど明るく、谷ほど暗くした画像です。真上からの画像にもかかわらず、何となく立体的に見えるために、微地形と大地形を同時に広い範囲で把握…

雲仙岳噴火のこと 1991年ごろの話

はじめに 雲仙普賢岳は、1990年から1995年にかけて噴火をした。本格的なマグマ噴火は江戸時代の新焼溶岩を流して以来だから198年ぶりだった。最初は、1990 年11 月 17 日の小規模な水蒸気噴火であったが、徐々にマグマ性に変化し、翌年5月20日には地獄跡火…

大学1年生の頃

一般社団法人 全国地質調査業協会連合会 関東地方地質調査業協会 機関誌 原稿作成中 7月末締め切り 2ページ A4 2段組 はじめに 1975年春、日本大学文理学部の応用地学科というところに入学した。サイクルサッカー部からは、一発で乗りこなしたので、かなり勧…

慶良間諸島の地形

地形地質これまでの知見では 保存すべき重要な景観資源 として「完新世サンゴ礁原」があげられていた津波堆積物慶良間諸島の高度10mから50mにかけての高度では 厚さ10〜30cmの灰白色砂層が、斜面と平行に覆うように分布して地点を 多数確認できる。 一般的に…

Profile

Mr. Chiba is director of Researh Institute at Asia Air Survey Co., Ltd.,and part-time Lecturer of Nihon Univ.His specialized field is volcanology and geology,main task is the making volcanic hazard maps.He have invented the technique calle…

赤色立体地図の防災利用

日本でのLiDARと赤色立体地図を使用した、地形判読や防災対策を紹介する。 日本は自然災害が多い。島孤海溝系に位置するため火山や地震が多く、モンスーン地域のために台風も多く襲来する。また、山地が多いため、平地や海岸沿いに人口が集中し、都市が発達…

山体崩壊

山体崩壊(さんたいほうかい)は、sector collapse の訳である 火山体の一部が大規模に崩壊する現象である。 火山の噴火や地震動あるいは大雨などが引き金になって発生する火山は同一の火口噴火を繰り返した結果積み上げられた円錐形をなすことが多く、 おお…

火山ガス

1.4.5 火山ガス 火山ガスは、地下のマグマに溶けている揮発性成分が減圧によって分離し放出されたものである。圧力の低下割合が大きいと噴火に至るが、小さければ噴火を伴わない火山ガス放出がおきる。日本には110の活火山があるが、そのうち少なくとも54火…

火山性地殻変動

1.4.7 地殻変動 火山活動に伴い、地表面に断層変位が生じたり、局地的な隆起や沈降を生ずることがある。これを「火山性地殻変動」とよぶ。一般的に、地殻変動はもっと長期的な広域的なものに使う用語であるが、火山活動に伴って生じた変形に対しても使用する…

2.雁ノ穴火口

このページは、一般社団法人全国地質調査業協会連合会「地質と調査」の原稿作成用に整理したものです。最終印刷版のpdfは ここ「2014年(特定テーマ富士山)」でみられます はじめに 富士吉田市の南東側、東富士五湖道路の少し南に「雁ノ穴」という名所があ…

1.鳴沢村ジラゴンノ

1.ジラゴンノ運動場脇の青木ヶ原溶岩の断面 富士山の青木ヶ原溶岩を使った溶岩プレートは、焼肉用に最適です。大きく薄いわりに気泡が適度に含まれているので、油を吸い込み、おいしく焼けるのだとか。近年は、青木ヶ原溶岩の採取は禁止され、砕石場はすべ…

平成の火山災害 雲仙岳噴火

有史の噴火災害 雲仙火山は,島原半島の主部を占める活火山で,多くの溶岩ドーム群からなる複成複式火山である.有史以降,1663年,1792年,1990〜1995年の3回の噴火があるが,いずれも主峰の普賢岳からの噴火であった.1663年の噴火では,普賢岳山頂付近の…

宮地直道さん

日本大学文理学部の宮地さんが亡くなってからもう2年半になる。1年半前に、追悼文を依頼されたのだが、途中であきらめてしまった。気持ちの整理がうまくつかなかった。 宮地直道さんは、愛知県日進町で医者の一人息子として、1957年3月にお生まれになりまし…

溶岩流のまとめ

1.4.4 溶岩流 マグマが地上を液体として流れた場合、溶岩がながれたといい、それが冷却固化したものを溶岩流と言う。 マグマの融点は高く、液体にするためには、高温が必要である。固体から液体となる温度-圧力条件ははSiO2成分の割合と揮発成分の割合で変わ…

1.4 火山災害(25ページ)

建設計画と地形・地質 地形地質の見方 原稿作成のための整理図はモノクロになる 1.4.0 火山災害とは 火山噴火 火山噴火は、火山の地下数キロにあるマグマだまりからマグマが地上に移動する現象である。火口から地上にもたらされるものは、その物性によってさ…

日本第四紀学会賞受賞記念講演会

第四紀通信 原稿(案)印刷されました2014年2月2日、日本大学文理学部3号館において、日本第四紀学会賞受賞者講演会が行われた。講演者は、岩田修二先生(首都大学東京名誉教授)、陶野郁雄先生(山形大学名誉教授)であった。「土の四方山話、理学・工学…

赤色立体地図とその応用

測量「地図表現とその周辺」最終校正中 ことはじめ 2002年の夏、青木ヶ原樹海の調査の直前、わたしは、レーザ計測部門から届いた、1m等高線図の束(1/5000で50枚以上)を前に、途方に暮れていた。数日間の判読作業の結果、樹海の地形は想像していた以上に複…

タイムマシンはもうできている

あなたはまだ気が付いていないかもしれないけれど 東北新幹線は実はタイムマシンなんだタイムマシンに乗って石巻にいってみてごらん そこでみえるのは未来の姿 あなたの町が津波に襲われた後の姿を 見ることができるあれは 遠い北の町で 数年前に起こった 過…

月の地形表現手法としての赤色立体地図

国土地理院|月の赤色立体地図 http://gisstar.gsi.go.jp/selene/ その反響 http://www.kotaku.jp/2013/12/3d_map_moon.html ギズモードの記事 http://www.gizmodo.jp/2013/12/post_13648.html まいなびニュース http://news.mynavi.jp/news/2013/12/13/197/…

伊豆大島における災害史と自然

土木学会・地盤工学会・日本応用地質学会・日本地すべり学会 平成25年10月台風26号による伊豆大島豪雨災害緊急調査団報告会 平成26年1月23日(木)地盤工学会 大会議室 1月27日修正pdfへのリンク PPT書き起こし はじめに 伊豆大島は島の中央部に直径 kmのカ…

極座標でみた富士山

[地図中心原稿][富士山][DEM][火山][地図]画像はオリジナル解像度に変更 富士山の稜線 富士山は日本で一番高い山であると同時に、最も活発な火山であることは意外と知られていない。長期的に見ると、過去1万1千年間の噴出量は、48km3に及ぶ1)。これは、カル…

夢の扉+ 主人公のその後(推敲中)

お名前:千葉達朗 放送日:2012年8月26日 タイトル:活断層も溶岩流も可視化!精密な地形を3次元で表現する『赤色立体地図』〜独自開発の新技法を防災計画に活用し日本列島を守りたい!〜 放送の反響は予想以上に大きく、テレビというマスメディアの影響力、…

貞観津波のこと(門脇中学校PTA会報原稿) 千葉達朗 

貞観津波のこと 千葉達朗 ■はじめに 私は、昭和三十一年生まれの門中の先輩です。仕事は、日本中の火山へ調査に出かけ、地形や地質の調査をして、防災マップを作ったりしています。石巻で生まれ育ち、門小、門中、石高とすすみ、十八歳でふるさとを離れ、あ…

石巻の微地形を測る(高校同窓会誌原稿)

2011年3月11日、M9.0の東日本太平洋沖地震が発生した。石巻地方は、30年以内に宮城県沖地震の発生する確率は99%と予想されていたので、防災対策は万全のはずだった。しかし、この想定地震の規模はわずかM7.6であったため、想定以上の大地震と大…

大西洋中央海嶺

理科教室2013年1月号 口絵解説 (1)赤色体地図のみかた (2)有珠山 (3)浅間山 (4)大西洋 大西洋中央海嶺(Mid-Atlantic Ridge)は、北極海からアイスランド・アゾレス諸島を経て、 大西洋南部で南西インド洋海嶺に繋がる海底山脈である。 新たな海…

赤色立体地図は富士山の青木ヶ原樹海の調査から生まれた

2002年の夏、青木ヶ原樹海の調査の直前、わたしは、レーザ計測部門から届いたいた、1m等高線図の束(1/5000で50枚以上)を前に、途方に暮れていた。数日間の判読作業の結果、樹海の地形は想像していた以上に複雑で凹凸に富んでいることがわかった。火口以外…

渋谷の坂

渋谷の地形について文章を書くことになったので、ちょっと現地調査に行ってきた。ずいぶん久しぶりの渋谷。東急ハンズができたばかりのころ、ビルの中の階段フロアとか、地下2階に出口があるんだぜとか、澁谷の地形に合わせた巧みな作りに驚いたときのことが…

夢の扉+に出演します

TBS夢の扉+8月13日から取材を受けていますが、かなりのハイペースで, 石巻、富士山、伊豆大島の取材をこなし、会社での取材も4回を越えています昨日から、予告編の動画も見えるようになりましたので お知らせしますhttp://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/index…

宮地直道さん

日本大学文理学部の宮地さんが亡くなってからもう2年半になる。ようやく、何かかかけそうな気がしてきた。1957年3月生まれだったので、54歳だった。とても惜しい人をなくしてしまった。 宮地さんは、日大の文理学部応用地学科に1976年に入学され、その後、…

イランの地形

まるで昆虫のようだ 生き物みたいに見えるのはなぜだろう