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溶岩流のまとめ

1.4.4 溶岩流

 マグマが地上を液体として流れた場合、溶岩がながれたといい、それが冷却固化したものを溶岩流と言う。
マグマの融点は高く、液体にするためには、高温が必要である。固体から液体となる温度-圧力条件ははSiO2成分の割合と揮発成分の割合で変わる。SiO2の含まれる割合が少ない場合ほど高温で、揮発成分が多いほど溶けやすくなる。また、圧力が高くなるとより溶けにくくなる。したがって、マグマの生成には、温度の上昇、圧力の低下、揮発成分の付加が必要とされることになる。また、同じ液体でも温度と粘性の間には一定の関係があり、温度が高いほど粘性が低くなる。つまり、SiO2成分が少ない場合より低粘性になり、斑晶が含まれる場合、粘性はより高くなる方向に変化する。

The viscosity of magmas as a function of temperature. Magma is assumed to be volatile free. Figure from Spera, 2000.1)

表面形態

溶岩流は、その表面形態から、パホイホイ溶岩、アア溶岩、ブロック溶岩に分類される。
(1)パホイホイ溶岩

(2)アア溶岩

(3)ブロック溶岩

溶岩地形

溶岩流が流れる過程でも徐々に温度は低下するので、粘性が増加、速度が低下しついには固体となり停止します。その過程が溶岩表面に微地形として記録されるわけです。また、溶岩流の表面は大気と接し、溶岩流の下部は地面に接していますので、内部よりも早く冷却されます。その結果後続の溶岩流が未固結の溶岩流の中央部を流下することがあります。この空間が最終的に満たされずに、空間となって残った場合、それを溶岩トンネルといいます。溶岩トンネルが形成されると、かこうから離れた地点まで、あまり温度を下げることなく高速で移動することが可能となりますので、溶岩流の到達範囲はより遠方に及ぶと考えられます。

溶岩流の幅や厚さ形状は傾斜と大きな関係があります
仮に、一定の流量で定常的に流れた場合でも
流下中に傾斜が急な場合は高速度の流れとなり幅が狭くなり、
傾斜が緩くなると幅が広がりゆっくり流れます。流速の変化が縦断方向に現れるので、追突の構造や引っ張り構造が表面に現れます。先端部のほうが流速が小さい場合は追突による溶岩じわが形成されます。一方先端部ほど流速が早い場合には、横断方向に溶岩亀裂が形成されます。亀裂は上流側に弓なりに凸となります


溶岩流によって甚大な被害が予想される場合、
人工的に堰き止めたり流路を変えたり冷却したりして、災害を軽減することが試みられています.
流路は地形に従うので、溝を掘ったり、堤防を築いたりして流れを安全な方向に導く方法がとられます.
しかしながら、溶岩流が迫り来る中での工事は危険が伴い、流向きも定まらないことがあり、なかなか困難です
(1)アイスランドの例 港の入り口が堰き止められると島の経済が成り立たなくなるために、米軍の協力も得て、大規模な放水が行われました
(2)イタリアの例 エトナ火山の噴火では、スキー場のすぐ近くに加工ができたため、溶岩流が来るのを防ぐために 
   ブルドーザーで堤防を作りました
(3)ハワイ ヒロ 爆弾投下 あまり効果がなかった
日本でも 三宅島1983年噴火で阿古で放水が行われています
ハワイのkirauea火山の噴火では溶岩流が家に迫ったために
大量の水をかけ守った例が知られています


溶岩流の速度は数キロから数十キロ程度で、走って逃げられる程度である。

しかし、コンゴの 山の噴火では、溶岩湖の底が抜け一気に大量の薄い溶岩流が航測度でゴアの町を襲った
溶岩流の対策は

伊豆大島1986年溶岩
LC溶岩 元町まで200m 停止
その後 2013年度に完成 よく年台風災害 土石流が発生したが 大きな被害はなかった



伊豆大島の溶岩導流堤



1)Spera, F.J., 2000. Physical Properties of Magma, in: Sigurdsson, H. (Ed.), Encyclopedia of Volcanoes. Academic Press, San Diego, CA, pp. 171-189.