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慶良間諸島の地形

地形地質

これまでの知見では
保存すべき重要な景観資源
として「完新世サンゴ礁原」があげられていた

津波堆積物

慶良間諸島の高度10mから50mにかけての高度では
厚さ10〜30cmの灰白色砂層が、斜面と平行に覆うように分布して地点を
多数確認できる。
一般的に斜面と平行に覆うように分布する地層は、マントルベッティングとも
呼ばれ、風成層の特徴である。火山灰やレスが考えられる。

しかしながら砂の分析をしたところ、石英や斜長石の破片であった。

この層と基盤岩の間には、大きさが数センチ程度の礫が認められることがある。
このような礫は、水の力で運搬される必要がある。
これらの二つの事実を整合的に説明するのは
津波による堆積物であるという仮説がもっともらしい

これまで、慶良間諸島では津波堆積物の分布は報告されておらず
八重山諸島で確認されている津波石をもたらした
津波の影響範囲からも離れている
また、津波堆積物であるとした場合高度50mを超えることは
防災上非常に大きな意味を持つ。

これらの地層は、林道沿いの崖で多数確認することができる
今後の精密な調査のためにも、
道路沿いに地層が露出する景観が失われないように
保護管理が必要と思われる